高性能林業機械とは
林野庁の解説ではとあります。高性能林業機械とは従来のチェーンソーや刈払機等の機械に比べて、作業の効率化、身体への負担の軽減等、性能が著しく高い林業機械です。20年ほど前から開発・普及が進められており、平成21年度には約4,200台が林業の現場で使用されています。主な高性能林業機械として、フェラーバンチャ、スキッダ、プロセッサ、ハーベスタ、フォワーダ、タワーヤーダ、スイングヤーダなどがあります。
チェーンソーで木を切り倒し、ワイヤーロープを使って小型ブルドーザで土場まで引っ張り出し、土場で玉切りして輸送用のトラックに積み込んでいた従来の作業を効率的かつ安全性を高めて行うための機械のことになります。
ちなみに、丸太をつかんだりするためのグラップルは従来型林業機械に分類されているようです。
日本で初めて高性能林業機械が導入されたのは1982年北海道の遠藤林業でした。その後、日本で広く認知されたのは1988年9月にカナダで開催された世界林業機械展に北海道内の林業関係者からなる視察団が参加したことがきっかけだそうです。
高性能林業機械の種類
林野庁の解説にもあるように主な高性能林業機械としてはフェラーバンチャ、スキッダ、プロセッサ、ハーベスタ、フォワーダ、タワーヤーダ、スイングヤーダなどがあります。なお、プロセッサ、ハーベスタの場合は油圧ショベルのアタッチメントだけ製造している場合と、ベースマシンも含めて専用機を製造している場合があります。
高性能林業機械の説明は色々ありますが、下記がわかりやすいと思います。
イワフジ工業株式会社高性能林業機械について
大雑把に記載すると下記のようになります。
- フェラーバンチャ
- 立木を伐採(フェリング)し、切った木をそのまま掴んで集材に便利な場所へ集積(バンチング)する自走式機械。天然林択伐に向いているといわれている。ただし、他の機械に比べると稼働率は低めとのデータもある。
- スキッダ
- 複数の材を牽引して土場に運び出す機械。林業用トラクタの総称であるが一般的にはグラップルを装備したものを指すことが多い。従来はワイヤーロープで束ねてから引っ張っていたが、その束ねる作業を省くことができる。洞爺丸台風の風倒木処理に大量に導入されたのが普及のきっかけとも言われている。
- プロセッサ
- 造材機とも言われ林道や土場で集材された材の枝払い玉切りを行う機械。国高性能林業機械の中では最も保有率が高くなっている。
- ハーベスタ
- 伐倒造材機とも言われ伐倒、枝払い、玉切り、および集材しやすいように玉切りした材の集積を一貫して行う機械。日本の山間部は急傾斜地がおおく大型機械の導入が困難なことが多い。そのためプロセッサに比べると国内保有台数は少ない。
- フォワーダ
- 林内に集積された短幹材を林道端の土場まで積載集材する車両系機械の総称。主にグラップルローダを装着したもので2トン以上の積載量を持つものを指す。従来のワイヤーロープによるけん引に比べ材が泥などで汚れず破損も少ない。
- タワーヤーダ、スイングヤーダ
- 架線の架設撤去が手軽にできる人工支柱を装備し,自走またはけん引することのできる集材機。フォワーダなどが入れない急傾斜地での集材に向いている。タワーヤーダはトレーラをベースマシンとして集材用のウインチを搭載しており、スイングヤーダは油圧ショベルをベースマシンとしている。
高性能林業機械を扱うメーカ
高性能林業機械を扱う主なメーカを紹介します。国内
海外
参考文献
林業を支える高性能林業機械(林野庁)林業機械について(林業機械化協会)
高性能林業機械(森林利用学会)
高性能林業機械化の推移と展望に関する研究(北海道大学尾張,、敏章、2001年)
高性能林業機械化の推移と展望に関する研究(東京大学尾張、2000年)